
ローデとラロ
2017年9月14日13:00、平成30(2018)年度の「東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校」(以下、藝高)の入試課題曲(専攻実技と副科ピアノ)が発表された。
発表によれば、ヴァイオリン専攻の実技課題曲は、第1回が音階+ ローデ13番、第2回が ラロ:スペイン交響曲 第1楽章。
第1回は、2015年度から4年連続でローデ:24のカプリースからの出題となり、2014年度に“サプライズ”のバッハ(無伴奏ソナタ 第3番 第3楽章・第4楽章)が出た以降は、完全に過去の藝高の定番路線へと回帰した。
第2回は、ラロ:スペイン交響曲 第1楽章。
2014年度がヴィエニャフスキ:協奏曲 第2番 第1楽章、2015年度がラロ:スペイン交響曲 第5楽章、2016年度がサン=サーンス:協奏曲 第3番 第1楽章とロマン派の楽曲が3年続いた後、2017年度はモーツァルト:協奏曲 第4番 第1楽章、2018年度は再びロマン派に戻り、しかも2015年に第5楽章が出たラロ:スペイン交響曲の第1楽章となった。
尚、従来も実技試験の前には伴奏合わせが行われていたようだが、今回の課題曲発表で注釈として、「当日試験前に一回リハーサルを行う」と正式に記載された。
専攻実技 ヴァイオリン
【第1回】
① カール・フレッシュ:スケール・システム (Carl Flesch:Scale System) より
イ短調(a-moll) 譜例①(ヴァイオリン)を参照のこと(4ページ)
(A)音階,分散和音,分散 3 度,半音階
(B)3 度の重音
(C)6 度の重音
(D)8 度の重音
(E)フィンガード・オクターヴ
(F)10 度の重音
(注)指定されたテンポやスラーを厳守すること。フィンガリングは自由。
② ローデ:24のキャプリスより 第13番
(Rode:24 Caprices No.13)
(注) 楽譜の版は特に指定しない。
【第2回】
ラロ:スペイン交響曲 作品21(Lalo:Symphonie espagnole op.21)より
第1楽章(ピアノ伴奏付き)
(注) 楽譜の版は特に指定しない。
伴奏は本校試験係員が行い、当日試験前に一回リハーサルを行う。
間奏等は短縮される場合がある。
願書の受付期間は、2017年12月1日(金)~12月5日(火)※すべて郵送。調査書の受付は2018年1月4日(木)~8日(月)※すべて郵送。
入学試験期間は、2018年1月20日(土)~24日(水)※入試掲示は1月19日(金)で、「入学試験に関する注意事項」「第1回集合時間」「ピアノ専攻課題曲演奏箇所」が掲示される。
尚、今回発表された実技試験課題曲以外の平成30年度入試に関する事項については,『平成30年度生徒募集要項』にて発表される。要項は,平成29年10月30日(月)以降に配布予定。郵送による募集要項の請求依頼は,平成29年11月20日(月)まで。※学校に要到着
「2017年9月14日(木) 平成30年度入学試験音楽実技課題曲発表」(「藝高」公式サイト)
藝高入試 過去13年の第1回と第2回の課題曲の変遷
- (2005年実施)
ローデ:13番
サンサーンス:協奏曲 3番 3楽章 - (2006年実施)
ローデ:4番
ヴュータン:バラードとポロネーズ - (2007年実施)
ローデ:11番
ブルッフ:協奏曲 1番 3楽章 - (2008年実施)
ローデ:19番
ヴィオッティ:協奏曲 22番 1楽章(カデンツァはヨアヒム) - (2009年実施)
ローデ:20番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァはヨアヒム)
※この年から1次の音階(カール・フレッシュ)でフィンガード・オクターブと10度がなくなる。 - (2010年実施)
ローデ:23番
モーツァルト:協奏曲 1番 1楽章(カデンツァなし) - (2011年実施)
ローデ:13番
モーツァルト:協奏曲 5番 1楽章(カデンツァはヨアヒム) - (2012年実施)
ローデ;14番
サンサーンス:協奏曲 3番 3楽章
※1次の音階(カール・フレッシュ)で4年ぶりにフィンガード・オクターブが復活。 - (2013年実施)
ローデ:19番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァはヨアヒム)
※1次の音階(カール・フレッシュ)で5年ぶりに10度が復活。 - (2014年実施)
バッハ:無伴奏ソナタ 3番 3・4楽章
ヴィエニャフスキ:協奏曲 2番 1楽章 - (2015年実施)
ローデ:20番
ラロ:スペイン交響曲 5楽章 - (2016年実施)
ローデ:16番
サン=サーンス:協奏曲 3番 1楽章 - (2017年実施)
ローデ:11番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァなし)
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