
2015年のファイナルでは、その名を冠したコンクールにベストマッチのブラームスの協奏曲を演奏し、第3位を獲得した。
そして、頂点を目指し再び挑んだ今回、ファイナルで選んだのはチャイコフスキーの協奏曲。オーケストラは旧ソ連、ウクライナの交響楽団。
ベストパートナーを得た圧巻の演奏で、念願の優勝を手にした。
2度目の入賞、頂点へ
9月3日~8日、オーストリア・ペルチャッハで開催された「第24回ヨハネス・ブラームス国際コンクール」のヴァイオリン部門で、日本の中村太地さん(27歳)が第1位に輝いた。また、セミファイナルに進出した14歳の吉本梨乃さんが特別賞(”Vadim Repin prize”)を受賞した。
中村太地さんは、2015年の同コンクール同部門で日本人初(※)の順位入賞(第3位)を獲得。2度目のトライアルで頂点を極めた。(※)記録が残る2001年以降
今年のヴァイオリン部門には86名が出場、第1ラウンドで19名(日本5名)に絞られ、ファイナルには中村さんら3名が進出し、ウクライナ・リヴィウのINSO-Lviv(リヴィウ国際交響楽団)と共演した。
中村さんはファイナルでチャイコフスキーの協奏曲を演奏、ロシアの雄大で荒涼とした大地をイメージした圧巻の演奏で会場の聴衆を魅了し、念願の優勝を手にした。
同コンクールは、提出書類やビデオによる事前審査を行わない実演のみの方式で、しかも審査は、演奏後に審査員が点数札を会場で掲げて演奏者や聴衆に点数を公開し、平均点の高い順にラウンド通過者及び入賞者を決定するシステムを取る。
密室での決定や協議を廃した透明性の高い審査の下、80名を超える出場者が横一線で競い合う中での2度にわたる入賞は、極めて価値の高いものと言えるだろう。
Prize Winners
1st Prize
Daichi Nakamura(Japan)
2nd Prize
Belle Ting(Canada)
3rd Prize
Eunche Kim(South Korea)
中村太地さんは同コンクールの他にも、「2012年(第8回)アラム・ハチャトゥリアン国際コンクール」ヴァイオリン部門で第3位、「2016年(第35回)ロドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリンコンクール」で第5位などの国際コン入賞実績がある。
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