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コンクールを経ずにキャリアを作る方法(ジュリアン・ラクリン)

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著名なヴァイオリニストがインタビューの中で、コンクールについてこんな意見を述べている。

スポーツじゃあるまいし、音楽でお互いに競い合うという考えには共感できない。

そう述べたのは、ヴァイオリニストのジュリアン・ラクリン氏。

ウィーンコンセルヴァトリウム私立音楽大学で教授も務めているが、有望な若手にはコンクールに出場するのはやめておくようアドバイスするという。

コンクールというシステムが好きになれない音楽家はたくさんいる。一部の生徒は、審査システムによって、とても不当な方法で斥けられている。

ラクリン氏自身は、1988年にアムステルダムで行われた「第4回ユーロヴィジョン ヤング・ミュージシャンズ」で優勝。

その後、、ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団や、リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と共演するなど、ソリストとして順風満帆の道を歩んできた。

では、コンクールを経ずに、どのようにしてキャリアを作っていけばいいのだろうか?

ラクリン氏はこう言う。

準備が整った段階で、有力な指揮者に演奏を聴いてもらうとよい。本当に才能があるなら、必ず道は見つかる。コンクールなどでストレスを溜め込む必要はない。」

この見解が紹介されたクラシック音楽系のニュースサイト “Slipped Disc” には、読者からこんなコメントが寄せられた。

「指揮者? なるほど。言い換えれば、“マフィアのシステムで悩むことはない。マフィアのドンのところに直接行け” ってことか。」

「そう、中間にいる人々は排除すること。でも実際コンクールは、直接演奏を聴いてもらって、何人かが選ばれる場でもあるわけさ。もちろんそんな不愉快な場所は迂回して、自分の行くべき道を見つけられる優秀なソリストもたくさんいるけどね。世界中にあらゆるレベルのコンクールがあるけれど、それは悪いことではないと思う。それが人生さ。認められたり数に入れられたりすることが可能性を破壊してしまう現実はあるけれど、こうやって先生の哲学に基づく多くの教えがあれば、それを改善していけると思う。」

「コンクールは音楽家のためにあるものではなく、馬のためにあるものだ。」(バルトーク)

「会社の面接に通る通らないで悩んでないで、雇ってくれる経営者に突撃ということだね」

さて、あなたはどのように考えるだろうか?

コンクールという場であれ、有力な人に直接という場合であれ、やはり演奏が素晴らしくないと認めてもらえないのは同じ。

「実力」の上に、さらに「コネ」も必要ということはあり得ても、何が何でも「コネ」さえあれば、というのはちょっと違う。

それだけは確かなようだ。

photo by Jorge Royan


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