東京藝大音楽学部が導入3年目となる「飛び入学」の募集要項を発表した。
同大が人材育成プログラムの中核と位置付ける「スペシャル・ソリスト・プログラム」(SSP)は、高校2年生修了時点での「飛び入学」と学部の成績優秀者を3年で卒業させる「早期卒業」との併用により、国際舞台で活躍する音楽家を戦略的に育成することを企図するもので、同プログラムの特徴は以下の通りとなっている。
- 個人レッスン時間を通常カリキュラムから倍増
- 海外一流演奏家による特別レッスンをはじめ、海外一流音楽大学等への留学や国際舞台における演奏の機会等を優先的に提供
- 選択科目は実技教員と検討の上、自由な組み合わせ(語学科目に重点を置く等)が可能
- 成績優秀者については、学部を3年間で早期卒業して、大学院進学や海外留学を可能とする特別カリキュラムを編成するとともに、授業料免除や特別奨学金による経済的支援を行う
- 複数教員による手厚い指導・サポート体制等、充実したキャリア支援を行う
「国際的に著名なコンクール等での入賞経験」を高く評価
今回発表された「飛び入学」の募集内容は、導入初年度からの内容が踏襲されており、対象はヴァイオリン・チェロ・ピアノの3専攻で、募集人員は若干名。
出願資格は、専攻楽器に関して優れた資質を有し、その探求を志す者で、「国際的に著名なコンクール等での入賞経験、又はそれと同等の能力を持つ者」としている。
第一次選考は書類審査で、提出書類(自己推薦書、推薦書、調査書等)を総合して判定する。
自己推薦書では、国際コンクールにおける入賞歴等、これまでの音楽活動における顕著な業績などを高く評価し、推薦書及び調査書等では、早期に大学教育を受けるために必要な基礎学力などを評価する。
第二次選考は専攻実技試験、基礎能力検査(楽典、聴音等ソルフェージュ全般に関する基礎能力試験)、面接で、各試験等の成績を総合して判定し、合否を決定する。
第二次選考には海外一流演奏家が参画する場合もあり、音楽の基礎能力及び専攻実技に関する表現力などを評価する。
平成29年度は受験2名・合格1名
ヴァイオリンの専攻実技試験の課題曲は、1)バッハ:無伴奏ソナタもしくはパルティータの中から任意の1曲(全楽章)、2)自由曲(複数曲可)で、全体で40分程度とし、試験では一部省略などの指示をすることがある。伴奏者は志願者が用意すること、としている。※昨年(平成29年度)は全体で60分以内だった
出願期間は平成29(2017)年11月1日(水)~11月7日(火)。※郵送のみ・期間内消印有効
第一次選考の合否結果は、11月13日(月)に本人宛に郵送される。
第二次選考は11月18日(土)にピアノの専攻実技と面接、19日(日)にピアノの基礎能力検査と弦楽の専攻実技・基礎能力検査・面接が実施される。
第二次選考の合否結果は、12月1日(金)に本人宛及び推薦書を作成した高等学校長宛に郵送される。
入学手続きは平成30(2018)年3月14日(水)・15日(木)。
入学者は、入学料(338,400円相当)と1年次の授業料(535,800円相当)が免除される。
「学生募集要項[飛び入学]2018 東京藝術大学」(PDFファイル)(東京藝大入試情報サイト)
尚、導入初年度の平成28年度「飛び入学」は4名が受験し、合格者はゼロ、導入2年目の平成29年度は2名が受験し、合格者は1名だった。
「東京藝術大学 平成28年度 SSP(飛び入学) 選抜試験結果」(PDFファイル)
「東京藝術大学 平成29年度 SSP(飛び入学) 選抜試験結果」(PDFファイル)
平成29年度には「入学定員は一般選抜の入学定員24名に含まれる」との記載がある。