日本勢躍進、国際コン連続入賞
2月13日〜19日、リトアニア・ヴィリニュスで「第5回ヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリンコンクール」が開催され、日本の荒井優利奈さん(22歳 / 東京藝大4年)が第1位、福田廉之介さん(17歳 / ローザンヌ高等音楽院)が第3位に入賞した。また、大関万結さん(17歳 / 桐朋女子高3年)がディプロマを受賞した。
巨匠ヤッシャ・ハイフェッツ生誕の地で開催された同コンクールの予選ラウンド(ビデオ審査)には、世界42カ国から169名がエントリーし、44名が審査を通過。リトアニア・ヴィリニュスでのセミファイナルには35名が出場した。
セミファイナルは30分以内のリサイタルプログラム(バッハ、パガニーニ、ヴィルトゥオーゾピース、委嘱作、ハイフェッツ編曲作品)を競演、審査の結果、ファイナル進出を決めたコンテスタントは6名。うち日本勢が3名を占めた。
2月19日に行われたファイナルは、指定の4つの協奏曲(メンデルスゾーン・シベリウス・チャイコフスキー・グラズノフ)から選択した1曲をオーケストラと共演。審査委員長を務めるギドン・クレーメル氏が審査に加わった。
コンクールのファイナル。初顔合わせとなる異国のオーケストラとの共演で、動じることなく最高のパフォーマンスを創り上げるには、やはり経験値が物を言う部分もあるだろう。
優勝した荒井優利奈さんは、2016年に2つの国際コンで上位入賞した。ファイナルで選んだチャイコフスキーの協奏曲では、明瞭なパースペクティブの下、楽曲のドラマを時に情感豊かに躍動的に歌い上げ、また時に繊細かつ陰影を湛えつつ物語り、聴衆を魅了した。
第3位の福田廉之介さんも、すでに2つの主要ジュニア国際コン(※)を制した実績を持ち、ファイナルのチャイコフスキーは、明らかにシニア仕様へと進化した音量と音質で、スケール感の中にロシアのネイティヴな情念を描出する迫真の表現で聴かせた。
※「第15回(2013)クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクール」第1エイジグループ(14歳以下)第1位・ラインホルトウルト賞(全部門を通じてのグランプリに相当)を受賞、「2014メニューイン国際コンクール」ジュニア部門第1位。
同コンクールの入賞賞金は、第1位が9千ユーロ、第2位4千5百ユーロ、第3位2千ユーロ、ディプロマ千ユーロ。
Prize Winners
1st prize Yurina Arai (Japan)
2nd prize Dmytro Udovychenko (Ukraine)
3rd prize Rennosuke Fukuda (Japan)
Diploma Mayu Ozeki (Japan)
Diploma Stepan Starikov (Russia)
・Lithuanian Jewish Community prize for a winner of the competition – Yurina Arai
・Lithuanian national philharmonic prize – Yurina Arai
・Kaunas state philharmonic prize – Dmytro Udovychenko
・Audience prize – Bernardas Petrauskas
・”New Music Generation” prize – Dmytro Udovychenko
・Klaipėda concert hall prize – Dmytro Udovychenko
・EMCY prizes – Dmytro Udovychenko, Rennosuke Fukuda