ローデ19番とメンコン1楽章
2019年9月12日13:00、令和2(2020)年度の「東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校」(以下、藝高)の入試課題曲(専攻実技と副科ピアノ)が発表された。
発表によれば、ヴァイオリン専攻の実技課題曲は、第1回が音階+ ローデ19番、第2回が メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 第1楽章 。
藝大入試では頻出のメンデルスゾーン1楽章だが、藝高入試では手元にデータのある過去15年間では初の出題。2017年度のモーツァルトの後は、2018年度がラロ、2019年度がサン=サーンス、2020年度がメンデルスゾーンと、ロマン派が3年連続することとなった。
第1回のローデ:24のカプリースからの出題は2015年度から6年連続。2014年度に “サプライズ” のバッハ(無伴奏ソナタ 第3番 第3楽章・第4楽章)が出た以降は、完全に過去の藝高の定番路線に戻っている。
専攻実技 ヴァイオリン
【第1回】
① カール・フレッシュ:スケール・システム (Carl Flesch:Scale System) より
変ロ長調(B-dur) 譜例①(ヴァイオリン)を参照のこと
(A)音階,分散和音,分散 3 度,半音階
(B)3 度の重音
(C)6 度の重音
(D)8 度の重音
(E)フィンガード・オクターヴ
(F)10 度の重音
(注)指定されたテンポやスラーを厳守すること。フィンガリングは自由。
② ローデ:24のキャプリスより 第19番
(Rode:Caprice No.19)
(注) 楽譜の版は、特に指定しない。
【第2回】
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 より
第1楽章 Allegro molto appassionato(伴奏付き)
(注) 楽譜の版は特に指定しない。
伴奏者は、本校で用意する。
伴奏合わせは、試験直前に行う。
間奏等は省略される場合がある。
願書の受付期間は、2019年11月27日(水)~12月3日(火)※すべて郵送。調査書の受付は2020年1月6日(月)~14日(火)※すべて郵送。
入学試験期間は、2020年1月20日(月)~25日(土)※入試掲示は1月19日(日)で、「入学試験に関する注意事項」「第1回集合時間」「ピアノ専攻課題曲演奏箇所」が掲示される。
尚、今回発表された実技試験課題曲以外の令和2(2020)年度入試に関する事項については、『令和2(2020)年度生徒募集要項』にて発表される。要項は、2019年10月31日(木)以降に配布予定。(郵送による募集要項の請求依頼は、2019年11月21日(木)まで。※学校に要到着。)
「2019年9月12日(木) 令和2(2020)年度入学試験音楽実技課題曲発表(13:00)」(「藝高」公式サイト)
藝高入試 過去15年の第1回と第2回の課題曲の変遷
- (2005年実施)
ローデ:13番
サンサーンス:協奏曲 3番 3楽章 - (2006年実施)
ローデ:4番
ヴュータン:バラードとポロネーズ - (2007年実施)
ローデ:11番
ブルッフ:協奏曲 1番 3楽章 - (2008年実施)
ローデ:19番
ヴィオッティ:協奏曲 22番 1楽章(カデンツァはヨアヒム) - (2009年実施)
ローデ:20番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァはヨアヒム)
※この年から1次の音階(カール・フレッシュ)でフィンガード・オクターブと10度がなくなる。 - (2010年実施)
ローデ:23番
モーツァルト:協奏曲 1番 1楽章(カデンツァなし) - (2011年実施)
ローデ:13番
モーツァルト:協奏曲 5番 1楽章(カデンツァはヨアヒム) - (2012年実施)
ローデ;14番
サン=サーンス:協奏曲 3番 3楽章
※1次の音階(カール・フレッシュ)で4年ぶりにフィンガード・オクターブが復活。 - (2013年実施)
ローデ:19番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァはヨアヒム)
※1次の音階(カール・フレッシュ)で5年ぶりに10度が復活。 - (2014年実施)
バッハ:無伴奏ソナタ 3番 3・4楽章
ヴィエニャフスキ:協奏曲 2番 1楽章 - (2015年実施)
ローデ:20番
ラロ:スペイン交響曲 5楽章 - (2016年実施)
ローデ:16番
サン=サーンス:協奏曲 3番 1楽章 - (2017年実施)
ローデ:11番
モーツァルト:協奏曲 4番 1楽章(カデンツァなし) - (2018年実施)
ローデ:13番
ラロ:スペイン交響曲 第1楽章 - (2019年実施)
ローデ:14番
サン=サーンス:協奏曲 3番 3楽章