2016年11月15日、文部科学省が全国90の国立大学法人等の平成27年度における業務実績の評価結果を公表した。
最高評価は4大学のみ
各国立大学等が自ら定めた中期計画の平成27年度における実施状況を、主な4つの項目(「業務運営」「財務内容」「自己点検・情報公開等」「法令遵守・施設整備等」)について5段階で評価した。
4つの項目のうち、最高点の5を獲得した項目があった国立大学は、全86大学中、東京藝術大学、東京工業大学、名古屋大学、神戸大学の4大学のみだった。
東京藝術大学は、「財務内容」の項目で、クラウドファンディングを活用してバーミヤンの壁画を完全復元したプロジェクトが「特筆される取組」として最高点の5を獲得、その他の3つの項目でも4(「順調に進んでいる」)の評価を得た。
卓越教員採用、マスメディア発信、学生海外派遣に「注目」
その他、同大の注目される取組として、以下の10の事項が挙げられている。
グローバル化を牽引するための分野横断・融合型教員組織「芸術研究院」の新設
新進気鋭の若手芸術家(10名)、卓越教員(30名)等の人材獲得
積極的な寄附金獲得策の展開(約6100万円を獲得)
芸術系大学ブランディングシステム開発の推進(学長直下の「戦略企画インテリジェンスユニット」に専任の教員2名を新たに配置)
マスメディアや企業と連携した戦略的な情報発信
学生海外派遣事業アーツスタディ・アブロードプログラムの実施(美術・音楽・映像の3分野・計11の活動に86名の学生が参加)
「全国芸術系大学コンソーシアム(仮称)」構想の推進
国際交流協定の更なる拡充(23ヶ国・地域、63大学・機関)、中東地域の大学・アカデミーとの国際共同プロジェクトの推進
芸術文化の力を活用した災害復興支援(音楽アウトリーチ及び早期教育プロジェクト実施)、障害者支援の推進(金沢美術工芸大学との連携による人材育成)
「医学・医療と芸術の融合」による教育研究活動の推進(順天堂大学と連携・協力協定)
「国立大学法人等の平成27年度に係る業務実績の評価結果(文部科学省公式サイト)