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エチュード、スケール、セヴシック、良い先生

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「弓、真っ直ぐ!」の連呼で終わる不幸

弓を握り締めてしまうのも、手首が固いのも、大多数が一度は通ってきた道であり、正しいやり方で鍛えつつ身体の成長を待てば、時間が解決してくれるものです。

例えば、弓が弧を描いてしまう、俗に言う「やだやだボウイング」ですが、これも腕の動きをよく観察すれば、その年齢段階ではごく普通に起こることです。

放っておけば自然にそうなってしまう動きを、不自然な動きに矯正していく。それがヴァイオリンのレッスンと言えるでしょう。

ここを勘違いすると、経験の浅い先生にありがちな「弓を真っ直ぐって言ったでしょ」を連呼するだけで終わってしまうことになりかねません。

歯科矯正に器具が要るように、ボウイングの指導にもカイザーやクロイツェルの中の対応するエチュードを使った矯正方法があります。

左手はやはり、スケールとセヴシックです。

楽器の大きさにもよりますが、初学の段階では、まだ楽器の重さにも慣れていない上に、左手も充分開いていない状態で、ネックを握り締めてしまうケースも見受けられますが、ポジションチェンジが入ってくればネックを握り締めている暇もなくなるでしょうから、そこはそれほど心配する必要はないでしょう。

高名な先生につけばすべて解決?

但し、本格的にヴァイオリニストを目指すのであれば、日々の練習に左手の強化だけに集中して取り組めるエチュードがきちん組み込まれている必要があります。子供のうちは、本人が勝手に単調な練習をカットしたりしがちです。

子供のレッスンは、思考も身体の構造も思春期以降とは全く違います。まさに「大人も皆、昔は子供だった。しかし、そのことを覚えている大人は誰もいない」です。それを補うのはやはり、経験によって培われた観察力・分析力と言えるでしょう。

高名な先生に相談すれば解決できるかというと、実情は違います。

そのような先生のところに来るのは、下見の若い先生の下ですでに選別済みの弾ける子ばかりですから、例えばスピッカートができない子はまずいませんし、弾けない子を弾けるようにするのは指導の範疇にないことがほとんどです。

そのことを念頭に置いて、相談できる先生を探すことが必要でしょう。

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photo credit: pellaea via photopin cc


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