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効く言葉

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159_640px-Hermitage1photo by Yaropolk

 現状は文化やクリエイティブな業界に大きな負荷がかかっています。特に小さな文化施設とフリーランスのアーティストは極度の困難に直面する可能性があります。文化は良い時にのみ与えられる贅沢ではありません。暫くの間、文化なしで済まさなければならない状況に置かれたとしたら、その喪失感の大きさはどれほどのものでしょうか。私は彼らを失望させません。私たちは彼らの思いを受け止め、文化とクリエイティブのセクターのために支援と財政面でのサポートを確実に実行するため力を尽くします。

-モニカ・グリュッタース(ドイツ連邦首相府文化メディア担当国務大臣)(ドイツ連邦政府公式サイト

 才能は内なる可能性を表す「風」。創造性のスキルはその「風」を受けて、芸術という船を進める「帆」。「帆」がなければ、才能という「風」は吹き去っていくだけで、どこにも連れて行ってはくれない。

-ジェラルド・クリックスタイン( <著者に聞く> ジェラルド・クリックスタイン氏インタビュー 『成功する音楽家の新習慣』が演奏家たちの熱い支持を集める理由


新版 音楽家の名言~あなたの演奏を変える気づきのメッセージ~

 ヴュータンは壮大なスタイルで書きました。その音楽はどこをとっても豊かでよく響くものです。自分のヴァイオリンをよく鳴らそうと思うなら必ずヴュータンを弾いてほしいですね。

-ウジェーヌ・イザイ(『ヴァイオリン・マスタリー 名演奏家24人のメッセージ』 全音楽譜出版社 P84)

 弦だとか弓の毛だとか、そんなことを意識しているようじゃだめなんだ。ヴァイオリンは弾くものじゃなく、歌うものだ。

-レオポルド・アウアー(『ヴァイオリン・マスタリー 名演奏家24人のメッセージ』 全音楽譜出版社 P31)

 ヨーロッパで暮し始めたころには、バイオリニストとして生きる覚悟を決めました。もう親からの仕送りもありません。シゲティのレッスン代はツケにしてもらい、コンクールに出て賞金を得るとまとめて支払い、なんとかしのぎました。

-前橋汀子(「君たちの時代に 先輩からの手紙/174 バイオリニスト・前橋汀子さん/下」-2016年4月23日付「毎日小学生新聞」

 (チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲のレッスンで)チャイコフスキーのオペラ『エフゲニー・オネーギン』は見ましたか? 見ないと弾けませんよ。

-ミハイル・ヴァイマン(「君たちの時代に 先輩からの手紙/173 バイオリニスト・前橋汀子さん/中」-2016年4月9日付「毎日小学生新聞」

 ニューヨーク・フィルの弦楽器セクションは特別な響きを持っています。我々のホールは管楽器にフィットしているので、弦にはハードワークが求められます。合奏に適合しつつも、際立った音を持つ奏者が求められています。

-グレン・ディクテロウ“What makes a concertmaster special?”-“The Strad”

149_Acropolis_Athens_in_2004photo by Harrieta171

 シベリウスの協奏曲はもう何百回と弾いていますが、今なお私は挑戦し続けています。これで良いのか悪いのかをいつも考え続けています。

-レオニダス・カヴァコス(“‘I’m exhausted by the time I reach the Sibelius third movement,’ says violinist Leonidas Kavakos”-“The Strad”

 このヴァイオリンは私が子供の頃にレコードで聴いたグリュミオーの声を持っています。まるで私がこの楽器と共に成長してきたかのように、グリュミオーは私の血に、私の耳に、何らかの形で痕跡をとどめてきたのです。

-フランク・ペーター・ツィンマーマン(“Frank Peter Zimmermann receives ‘General Dupont’, ‘Grumiaux’ Stradivarius on long-term loan”-“The Strad”

 バッハは演奏家に完璧な芸術的要素と技術的精巧を求める楽譜を残している。彼が意図するところには至らないまでも、30年以上、人前で演奏を続けてきた私にとって、今が全曲録音に挑戦するときだと感じた。

-五嶋みどり(「バッハと私の経験が糸になり、大きな布に」 五嶋みどり、「無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータ」全曲録音発表-2016年1月15日付「産経ニュース」)

 マスタークラスは新たな先生を探すのには役立つが、あまりに多く取りすぎると生徒は混乱してしまう。

-パヴェル・ヴェルニコフ(“Playing in too many masterclasses can be confusing for the student, says violinist Pavel Vernikov”-“The Strad”

 いいかね、君はシャツにアイロンをあてているのではなく、楽器から音を引き出そうとしているのだよ。楽器に音を押し込んでどうするんだい?

-アーロン・ロザンド(“‘Every bow movement should be calculated,’ says violinist Aaron Rosand”-“The Strad”


新版 音楽家の名言~あなたの演奏を変える気づきのメッセージ~

143_640px-Waidhofen_Ybbs.Innenstadt_von_Zeller_Hochbrückephoto by Martin Hirsch

 以前、日本で公開レッスンをしたとき、若い学生がブラームスのソナタの1番を弾きました。でも、ただ音符を弾いているだけ。音楽になっていないのです。ブラームスは、この曲をオーストリア南部のケルンテン州にあるベルター湖畔で作曲しています。朝もやがかかったり、太陽の光が差し込んだりする風景のなかで生まれた曲だと一生懸命に説明するのですが、なかなか伝わらない。そういう場所や光景を知らなければイメージできませんし、そういう人にわかってもらうのは難しいですね。

-ライナー・キュッヒル(「(人生の贈りもの)わたしの半生 ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル:8 64歳」-2015年6月17日付「朝日新聞」)

 コンクリートに囲まれて育ち、人工的な経験ばかりした子には自然な演奏ができません。それは彼らの演奏を聴くとよくわかります。やはり自然と触れ合い、感じ、見聞きするなかで、いろんな感覚を養ってほしい。その経験は必ず生きます。

-ライナー・キュッヒル(「(人生の贈りもの)わたしの半生 ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル:8 64歳」-2015年6月17日付「朝日新聞」)

 (ウィーン国立音大で教えている生徒は10人ほど) 残念ですが、学生たちはスコアをなかなか見ないんですよ。曲の全体像をつかもうとしない。自分のパート譜は一生懸命勉強してもね。もちろん値段も高いし、経済的に厳しい。だからこそ、私の持っているスコアを見てほしい。スコアはとても大事です。

-ライナー・キュッヒル(「(人生の贈りもの)わたしの半生 ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル:8 64歳」-2015年6月17日付「朝日新聞」)

 (1970年の第4回チャイコフスキー国際コンクールは)出場した顔ぶれがすごかった。1位はギドン・クレーメルで、2位は指揮者になったウラジーミル・スピバコフと、藤川真弓。藤川さんは素晴らしい演奏でした。とにかく、すごい面々が本選まで進んでいましたから。私は最初でダメでした。でも最後まで会場に残って、ほかの人の演奏を聴きましたよ。コンクールはこの1回だけ。翌年、ウィーン・フィルのツアーで3週間旧ソ連へ行ったとき、コンクールで知り合った事務局の女性とモスクワで偶然再会したんです。「えっ、また来たの? 戻ってきたのね」と驚いていました。

-ライナー・キュッヒル(「(人生の贈りもの)わたしの半生 ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル:4 64歳」-2015年6月11日付「朝日新聞」)

 安いバイオリンを買ってもらい、まず父から習い始めました。たぶん2千円くらいのね。そのあと、地元のアマチュア楽団のコンサートマスターだった先生に付き、13歳くらいまで教えてもらいました。その先生に「ウィーンへ行きなさい」と勧められ、看護師だった父が働いていた病院の先生のつてを頼って、ウィーン国立音楽アカデミー(いまのウィーン国立音楽大学)のフランツ・サモヒル先生を紹介していただきました。

-ライナー・キュッヒル(「(人生の贈りもの)わたしの半生 ウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒル:2 64歳」-2015年6月9日付「朝日新聞」)

 慣れた音を再現するのでなく、あたかも今、曲が生まれているかのように、驚きながら弾きましょう。それが演奏。

-庄司紗矢香(「Interview:庄司紗矢香 バイオリンの心伝える 桐朋学園大「特命教授」として特別レッスン」

145_640px-Torino-pophoto by Giuseppe zeta

 私は工場生産のヴァイオリンで活動を始め、1956年のジュネーヴのコンクールに優勝した。楽器は平凡なドイツ製のヴァイオリンで、アマチュア演奏家であった私の父の楽器だったが、私にはそれしかなかったし、練習をしたのもその楽器だった。コンクールで優勝する妨げにはならなかった。

-サルヴァトーレ・アッカルド(『アッカルド ヴァイオリンを語る』音楽之友社)

 私は生徒からコンクールに参加する相談を受けると、それをあまり重要視しないなら、あまりそれにこだわらないなら、という条件をつけて、たいてい参加を勧める。コンクールだって正しい考え方で臨めば、非常によい経験になるのである。コンクールは人前で演奏する機会を提供してくれる。そして人前で演奏することは、音楽家の成長・成熟にとても大事なことなのである。

-サルヴァトーレ・アッカルド(『アッカルド ヴァイオリンを語る』音楽之友社 P41)

 うまくやろうなどという考えはどうでもよい。その瞬間、上手に弾こうなんて思うな。ただ弾け!

-イヴリー・ギトリス(『イヴリー・ギトリス ザ・ヴァイオリニスト』春秋社 P186)

 僕の生活条件として、なんでもないことは流行に従う。重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。

-小津安二郎(米谷紳之介著『老いの流儀 小津安二郎の言葉』星雲社 P46)

 同じバイオリニストでも、“バイオリンが上手い” で終わる人と、巨匠にまで登りつめる人がいます。その違いは野心にあります。要は、巨匠になるために必要な時間、バイオリンの練習を続けたいかどうかなのです。

-ジェリー・ヤン(「あの有名人たちが卒業式で学生に語っていたこと」)

135_640px-ZW17_DSC0182photo by Wistula

 (国際コンクールは) たしかに一番良い演奏家がいつも受賞するとは限らないでしょう。なぜかと申しますと、コンクールを勝ちぬくことに適していない性格の音楽家もいるからです。しかしそれにもかかわらず、コンクールというのは、やはり音楽家のために社会的な役割を果たしていると、私は思います。

-ヘンリク・シェリング(千歳八郎著『大ヴァイオリニストがあなたに伝えたいこと』春秋社 P160)

 一流の指揮者に必要な能力とは、末席の最も未熟な奏者をも、まるで彼らの各楽器のほんのわずかな伴奏部分の演奏によって全体の出来栄えが決まるかのように演奏させる能力である。

-ピーター・ドラッカー(山岸淳子著『ドラッカーとオーケストラの組織論』PHP新書 P39)

 バッハを弾くヴァイオリニストが、ただ音色の効果だけを狙って、ロマン派風のG線の運指に安住していたり、対位法の特長を無視して声部を混同していたり、絶対にバッハにはありえないロマンティックな効果を生み出していたりすれば、たとえテクニックがいかに秀逸であろうとも、そのヴァイオリニストはまちがった道に踏み入ったのだと判断するしかない。

-ユーディ・メニューイン(『ヴァイオリンを愛する友へ』音楽之友社)

 ヴァイオリンを買うときは、四本の弦の音が揃っていて音の出しやすい、音程の切れのよい楽器で、耳につかないパリッとした音の出るものを選ぶと大体間違いないようである。

-佐々木庸一(『新版 魔のヴァイオリン』音楽之友社 P192)

 私は独力で本能を頼りにバッハの音楽と向きあった。そこから最大限に学ぼうと試み、ヴァイオリンで《平均律クラヴィーア曲集》を弾いてみることさえした。

-ナタン・ミルシテイン (ジャン=ミシェル・モルク著『偉大なるヴァイオリニストたち』 ヤマハミュージックメディア P141)

127_640px-Lateral_view_of_the_Riga_Nativity_of_Christ_Orthodox_Cathedralphoto by Tiago Fioreze

 物心ついた頃からずっと、私は自分にとってエモーショナルな意味を感じられる音楽を弾こうとしてきました。演奏回数が多い曲は、聴衆に気に入られるように弾かねばという現象の犠牲になっています。私にとって、音楽は譜面と演奏者のあいだだけの事柄なのです。

-ギドン・クレーメル(ジャン=ミシェル・モルク著『偉大なるヴァイオリニストたち』 ヤマハミュージックメディア P343)

 十七歳から三十歳の間のどこにでも危機的状態が起こり得ると思う。年長者の敷いたレールの上に乗っていたのが、その同じ道を走り続けるかどうか、自分で決心しなければならない年代であるからです。それは分岐点であり、みんなが通過しなければならないと思います。

-ドロシー・ディレイ(『天才を育てる』音楽之友社 P232)

 ハイフェッツが優れたヴァイオリニストだったとすると、シゲティは優れた音楽家であり、シゲティを支持した聴衆は、見事なヴァイオリン演奏と、ヴァイオリンで奏でる見事な音楽との違いを見わけることができたのだ。

マイケル・スタインバーグ (ジャン=ミシェル・モルク著『偉大なるヴァイオリニストたち』 ヤマハミュージックメディア P84)

 ひとつ大きな深呼吸をしましょう。気がついた時に深呼吸をするように癖をつけます。緊張がドを過ぎないように深呼吸をするのです。ドを過ぎる場合には大抵呼吸が浅くなっています。そして、酸素が脳まで行き渡らなくなっているのです。

-千住真理子(『ヴァイオリニスト 20の哲学』ヤマハミュージックメディア P83)

 世の中にはごまんと楽器があり、「無名でもびっくりするほどチャーミングな音が出る楽器」を発見することもあります。人が嫌っている楽器も、なぜか自分が弾くと良い音が出る、なんていうこともあります。ですから、楽器は絶対的なものではなく、まさに弾き手との相性なのです。

-千住真理子(『ヴァイオリニスト 20の哲学』ヤマハミュージックメディア P108-109)

117_640px-Central_part_of_Tbilisiphoto by Dmitry Gerasimov

 宗教心があろうとなかろうと、確かに何ものかの存在を信じさせてくれる。それがバッハの音楽です。

-リサ・バティアシュヴィリ(“Politics Is Personal, and Professional”

 コンクールの場で自身の実力が発揮されなくても、持ち味や個性が受け入れられなくても、審査員に評価されなくても、音楽のすばらしさを追い続けてください。それですべての道が閉ざされたわけではないからです。あなたにないものを、ほかの人が持っていたからといって、あなたの良いところが失われることはありません。あなたには、ほかの人が持っていないような良いところがきっとあるはずなのです。

-千住真理子(『ヴァイオリニスト 20の哲学』ヤマハミュージックメディア P14-15)

 十四時間さらった翌日は、筋肉が疲れてはいますが、明らかにテクニックが身についています。指の回りが良くなり、テクニックの冴えも出てきます。音は磨かれたように艶が出てきて、細かくて速い音符が自分にはゆっくりはっきり聴こえてくるようになります。

-千住真理子(『ヴァイオリニスト 20の哲学』ヤマハミュージックメディア P21)

 興味がそそられることはなんでも深入りしてみること。それを大切にしなさい。再発見し、提供し、どんなことをしても、それがもう一度花開くよう努力することです。

-ジャクリーヌ・デュ・プレ(檜山乃武著 『音楽家の名言3』ヤマハミュージックメディア P32)


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