入学料20万円、受講料80万円
東京芸大音楽学部が、来春、中学生を対象に開講する「東京芸大ジュニア・アカデミー」の募集要項を発表した。
出願資格は、平成29年4月1日で中学1年生・2年生になる人、専攻楽器は、ピアノ・ヴァイオリン・チェロ・管楽器で、募集人員は10名程度。
上野キャンパスで月2回芸大教員による専攻実技レッスンとソルフェージュ(楽典を含む)の授業、外国人教員による特別レッスン、さらにはアンサンブルの指導も行う。
年度末には実技試験を実施、奏楽堂等で定期的な成果発表会も行う。一定の成績を修めた受講生は、芸大フィルハーモニアメンバーなどと室内楽やコンチェルトで共演する。
入学料は200,000円、受講料は800,000円(年額)。
選考は1次DVD、2次専攻実技
選考は1次が書類及びDVD審査(合否発表:平成29年1月12日※郵送)、2次が実技試験(平成29年年3月12日)。
ヴァイオリンの課題曲は、1次がモーツァルト:協奏曲 第3番〜第5番より任意の1曲の第1楽章(カデンツァは自由)、2次がバッハ:無伴奏パルティータ 第1番〜第3番より任意の1曲の1つの楽章とピアノ伴奏付きの10〜15分程度の自由曲(コンチェルトの1つの楽章も可)。
願書受付期間は、平成28年11月28日〜12月9日 ※消印有効
国立大学運営とはいえ、あくまでも学校ではなく「音教」の位置付けゆえに、芸高は言うに及ばず、芸大の授業料をも超えるレベルに受講料が設定されたのは致し方ないかもしれないが、音楽家になる夢を諦めさせるものへの視点があるのなら、もう少し何とかならなかったものかとも思う。
とはいえ、従来、芸高を目指してきた層にとっては、オフィシャルに芸大教授陣の実技レッスンが受けられ、ソルフェージュ指導や招聘外国人教授の特別レッスン、キャンバスでの試験や発表会も付いてのこの価格となれば、十分検討に価するものとなろう。(但し実技レッスンの教官の指定ができるかどうかは最も気になる点ではある)
中学1・2年からレッスンや試験で上野に通うことで得られるメリット(上野が「ホーム」となる / 芸大教官に実力が認知される等)は大きいとも言える。
無論、芸高入試への優遇措置は一切ないが、アカデミー生がいずれ芸高・芸大でトップを形成する層によって占められることになれば、早期に優秀な人材を囲い込みたい芸大側の狙いは当たったことになる。
アカデミー生10名枠が、今後の芸高入試において特別枠的な意味合いを持つことになるかどうかも含めて、1期生合格10名にどんな実力者が含まれるかが注目される。
「東京藝大ジュニア・アカデミー発足に当たって」(東京芸大公式サイト)