photo by Simon Darby
2016年7月7日、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場管弦楽団は、新たなコンサートマスターにカナダ人ヴァイオリニスト ニッキ・チョイ氏(27歳)が就任すると発表した。(参照)
ニッキ・チョイ氏は、カーティス音楽院を経て、ジュリアード音楽院でイダ・カヴァフィアン、ドナルド・ワイラースタインの両氏に師事。「2013マイケル・ヒル国際」第1位、「2012エリザベート王妃国際」ファイナリスト。(2015年に、クラシックからジャズ、ヒップホップまで多彩なジャンルの曲を演奏する弦楽トリオ “Time for three” に加入したが、今回のコンマス就任でメンバー交替となる模様)
ニッキ・チョイ氏の契約は8月からの1年間で、現コンサートマスターのデイヴィッド・チャン氏(「1990チャイコフスキー国際」第5位、「1994インディアナポリス国際」第3位 ジュリアード音楽院教授)とのコンサートマスター2名体制で、オペラシーズンには毎日開催される同歌劇場の公演の任を務めることになる。
チョイ氏は、倍率が200倍に達するという難関のオーディション(※)によって選ばれた。
メトロポリタン歌劇場管弦楽団では、2015-2016年シーズン終了後に、40年間音楽監督を務めた巨匠ジェームズ・レヴァイン氏が退任する。
チョイ氏の契約が延長されれば、次期音楽監督に就任するヤニック・ネゼ=セガン氏(フィラデルフィア管弦楽団音楽監督)とのカナダ人コンビにより、メトロポリタン歌劇場の新たな時代が幕を開けることになる。
(※)メトロポリタン歌劇場管弦楽団の 公式サイト には、最近のオーディションの例が示されている。
208名の応募者のうち、書類審査を経て実演審査にそのまま進めたのは64名。42名に対しては音源の提出が申し渡されたが、そのうち実演審査に進めたのは3名。実演審査は3ラウンド制(予選・セミファイナル・ファイナル)で、67名⇒15名⇒2名と絞られ、1名のみが採用された。
動画は、「2013マイケル・ヒル国際」でのシベリウス:ヴァイオリン協奏曲の演奏。