2017年5月21日〜30日、イタリアで相次いで開催された2つの国際ヴァイオリンコンクールで日本人が優勝し、現地で圧倒的な存在感を示した。
史上初の2カテゴリー制覇
5月21日〜26日、イタリア・フェルモで開催された「第24回 アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール」カテゴリーD(22~35歳)で、日本の宇野由樹子さん(東京藝大4年)が優勝した。
宇野さんは2016年開催の前回、カテゴリーC(17~21歳)でも第1位を獲得しており、2つのカテゴリー制覇を成し遂げた。
同コンクールは1994年に創設されて以降、毎年開催されてきたが、ひとりのコンテスタントが2つのカテゴリーで第1位となるのは同コンクール史上初の快挙。しかも2年連続での優勝は、現地の聴衆に日本の若手ヴァイオリ二ストの実力を強く印象づけるものとなった。
宇野由樹子さんは、「第4回(2016)トルン国際ヴァイオリンコンクール」セミファイナリスト、「第23回(2016)アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール」カテゴリーC(17~21歳)第1位・名誉委員会賞(バッハ作品解釈特別賞)、「第23回(2016)ヨハネス・ブラームス国際コンクール」ヴァイオリン部門セミファイナリスト、「第6回(2017)アンリ・マルトー国際ヴァイオリンコンクール」セミファイナリスト。東京芸術大学宗次德二特待奨学金、宗次德二海外留学支援奨学金給費生。
メジャー国際コンヘロックオン
5月27日〜30日、イタリア・ヴァルセシアで開催された「第33回ヴァルセシア・ムジカ国際コンクール」ヴァイオリン&オーケストラ部門で、日本の福田廉之介さん(ローザンヌ高等音楽院)が優勝した。
同コンクール同部門では、2015年に鈴木愛理さんが、2016年に荒井優利奈さんがそれぞれ第2位(最高位)を獲得、今回の福田さんの優勝で日本勢が3大会連続で最高位入賞を果たし、ここでも日本のヴァイオリン界が圧倒的な存在感を示す結果となった。
福田廉之介さんは、「第15回(2013)クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクール」第1エイジグループ(14歳以下)第1位・ラインホルトウルト賞(全部門を通じてのグランプリに相当)、「2014メニューイン国際コンクール」ジュニア部門第1位と、すでに2つの主要なジュニア国際コンを制しており、シニア国際コンに本格参戦した今年2月には「第5回ヤッシャ・ハイフェッツ国際ヴァイオリンコンクール」で第3位に入賞している。
荒井優利奈さん第1位、福田廉之介さん第3位 ハイフェッツ国際
Prize Winners
1st prize € 8,000
Rennosuke Fukuda(Japan)
2nd prize € 4,000
Stanko Magic(Serbia)
3rd prize € 2,000
Paul Kropfitsch(Austria)